弟子屈に来た当初はこんなに長くここにいることになるとは正直思っていなかった。
様々なご縁が私をここに留まらせたのだが、とにかく目の前にある自分にできることを精一杯やっているといつの間にか弟子屈に来てから7年が過ぎた。
その頃からである。ここできっと永住していくんだなと思うようになり、そのための住処を町内で探していると出会ったのが、現在私が住んでいるカエデの木が生える屈斜路湖の畔である。
自分自身よく分からないが、なぜかその前から自家製のメープルシロップを作ってみたいと思っていたこともあり、さっそく住み始めた翌年にはシロップ作りを始めた。
早春にのみ出てくる樹液を回収しては煮詰める日々を2か月弱繰り返しているうちに、今までは紅葉の時期くらいしか気にしていなかったカエデの木に、四季を通してどの森へ行っても惹かれるようになった。
そこで、本展会場では屈斜路湖周辺の風景を中心に写真をプリントして展示しているが、屈斜路湖畔で生えるカエデの木々が織りなす表情も見てもらえたらと、オンライン展として写真を15点にまとめ掲載することとした。
本展である「水の音 奏でる 屈斜路湖」と合わせて、屈斜路湖にはこんな一面もあるのかと鑑賞していただき、湖畔のカエデの木々にそよぐ風を感じてもらえていたら幸いである。
片瀬志誠
※写真をクリックして1枚ずつご鑑賞ください。